最初は(マイッタなぁ・・・)と思いました。こんな環境では英語力もなかなか伸びないでしょうし、第一、他のみんなが知り合いの中にポツンと入っていくというのは嫌なものです。ただ、僕は割と順応性があるのか、すぐにすっかり溶け込んでしまい、留学のつもりがなにやら修学旅行の延長のような雰囲気になってきてしまいました。
僕の入った学校の場合、2週間ぐらいの間は授業がありませんでした。オリエンテーション期間ということで新入生同士が親睦を深め合い、教師とも面会し、英語力測定のために試験を受けたり、これからの学生生活に関する説明などを聞きます。正直、ところどころしか意味が理解できませんでしたが、こんなときは他に日本人がいると助かります。
住む場所は、オリエンテーション期間に該当する最初の2週間が寮、その次の2ヶ月はホームステイ、その後はまた寮に戻るということになっていました。
当時、6月ですから、アメリカの大学はまだ夏休みです。夏にもサマーセッションという短い学期が開講していて授業は行われているのですが、やはり多くのアメリカ人学生は実家のほうに帰省しています。ですからキャンパスを歩いてみてもそれほど多くの学生はいませんし、寮にもアメリカ人学生はほとんどいません。住んでいるのは留学生ばかりでした。
思い出すのは、この最初の2週間の寮生活で、ある日本人と出会ったことです。彼は既に留学生として数年を送っている人で、僕のように来たばかりの日本人生徒に色々と留学生活の流儀を教えてくれました。ただこの人、根は良い人なんでしょうけど、時々物騒なことを言うのです。ピストルの使い方がどうの、アメリカ人とケンカをしてノシただの、そういうった武勇伝じみたことをたっぷり聞かされました。事実、その人は非常に大きな身体をしていまして、柔道のインストラクターかなにかをやっているということでした。後にこの人が大変な事件を起してしまうことになるのですが、それについてはまた後日・・・。
2週間の寮生活が終わると、ホストファミリーが決まったということで、そのホストが僕を迎えに来てくれました。ホストファミリーというと、一般的な家庭を連想してしまいますが、僕のホストファミリーはなんと大学生で、しかも一人暮らしでした。これには驚きました。僕の頭の中では、アメリカでホームステイというと、大きな家と大きな庭、仲睦まじい夫婦に子供達と犬・・・、下手すればプールも・・・などというような想像をしてしまっていましたから、ポツンと大学生が立っていて「ハイ!」と言われた時には、息子さんかなにかが一人で迎えにきたのだろうとばかり思っていましたが、現実はこの人が唯一のホストファミリーだったわけです。
|