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ヨシさんのアメリカ留学体験記



いわゆる優等生的な留学生ではなく、波乱万丈の留学生活を送られたヨシさん。帰国後は在日外国人のサポートに長く携わってこられたその道の功労者です。 そんなヨシさんの笑いあり、涙あり(?)の留学体験記アメリカ留学)を是非お楽しみください。


007話 「サンドイッチすら買えない」 目次

テレビの話の続きですが、アメリカのテレビというのは難聴者用にキャプション機能が内蔵されているケースがほとんどです。映画の字幕のように画面の下に言葉が文字で出てくるわけです。もちろん英語ですけどね(笑)。この機能は難聴者の方々だけでなく、英語を習おうとしている者にとっても実に重宝します。ペラペラペラッと何を言っているのかサッパリ判らないような早口で喋られても、画面下のキャプションを見れば(なるほど!!)と合点がいくわけです。前述の通り、僕はテレビというものを買うのが遅かったわけですが、これはちょっと悔やまれますね・・・。それぐらい、英語力アップにテレビは有効だと思います。

さて、留学当初の日常生活についてですが、これはもう毎日がちょっとした冒険だったように思います。当初は地理感覚もありませんから、郵便局に行くのも一大行事です。何をするのも新鮮でした。

学校の帰り、ホームステイ宅に向かう途中にコンビニがありまして、ある日、そこにフラリと入りました。腹が減っていたので食べ物を探して店内を見回していると、レジのところがガラスのショーケースになっていて、中に各種サンドウィッチが並んでいました。美味そうだったので、「Can I have this one?」と言って、とりわけ美味そうな品を指差しましたところ、レジのおばちゃんがペラペラっと何か言いました。

僕の予想では、「Can I have this one?」と言って、品物を指差せば、レジのおばちゃんはそれを取り出し、レジを打って金額を告げ、僕は金を払って品物を受け取るという至ってシンプルなやり取りでサンドウィッチ購入という作業をとどこおりなく完了できると考えていましたから、おばちゃんがペラペラと何か喋り出したときには結構うろたえました。もちろん、何を言っているのかわかりません。

とりあえず僕のほうは、「Pardon me ?」(すいません、よくわからないんですけど・・・というニュアンスです)と述べ、もう一度おばちゃんに同じ内容を喋ってもらうことにしました。無事、Pardon me のほうは通じまして、改めておばちゃんが喋ってくれたのですが、どうしても何を言っているのかがサッパリわかりません。人生でこれほど他人の話す言葉に耳を傾けたことはないというほどしっかり聴いていたつもりなのですが、悲しいかな、単語ひとつわからないのです。学校の授業のほうもわからないことはわかりませんでしたが、これほどのことはありませんでした。いかに学校の先生が話す英語がゆっくりだったかということです。

僕は内心シドロモドロになりつつも平静だけは保ち、今度は、「Would you speak more slowly?」(もう少しゆっくり話していただけますか?)と伝えました。これもまあ通じまして、おばちゃんは確かに、先ほどまでと比べて明らかにゆっくりと、いちいち頷きながら僕の目を凝視して、丁寧に話してくれました。

ただ、あろうことか、それでも何を言っているのかがわからないのです。唯一、トメートォという単語だけは聴き取れまして、それがトマトを指しているはずだということだけは理解できましたが、僕にとって、それがかえって、おばちゃんの言っている内容を謎めかせることにしかなりませんでした。トマト??

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