他人に3度も同じことを話させるというのも辛いものがありますが、もう一度、「Pardon me?」と言うしかありません。おばちゃんのほうも多少うろたえた感じで(僕のあまりの英語力のなさに)、更にゆっくりと話してくれたのですが、残念ながらそれでも何を言っているのかわかりません。
まさかサンドウィッチを買うという、ただそれだけのことでここまで窮地に陥るとは思ってもいませんでした。
レジの奥から少し若い店員も出てきまして、おばちゃんの言っていることを補足するように何か話しかけてくるのですが、それもまたわかりません。
よほど、「もうサンドウィッチはいりません」と言って店を出ようとかと思いまして、(サンドウィッチはいりません・・・、アイ・ドント・ニード・サンドウィッチ・・・、なんか表現としてキツイよなぁ・・・)などと考え始めた頃になって、おばちゃんも業を煮やしたのか、「Look」と言って(これは聴きとれました)カウンターにサンドウィッチを置き、ラップを丁寧にはがしはじめました。コッペパン状のパンに切れ目が入っていて、そこにハムなんかがはさんであるタイプのサンドウィッチです。
ラップをはがすと、今度は奥の皿からスライスされたトマトを取り出してきて、既に色々なものが挟まれているそのサンドウィッチに、新たにトマトを加える動作をし、僕の顔を伺いました。
事ここに至って、ようやく僕もすべてを理解しまして、苦笑いしながら「プリーズ」と言いました。嬉しいやら情けないやら・・・。
実はこの後も、サンドウィッチにポテトチップスの小袋がつくシステムになっているらしく、つけるかつけないかを聞かれまして、そこでまたひと悶着あったのですが、最終的にはまた実演方式で理解し、ようやくトマトを挟んだサンドウィッチとポテトチップスを持って無事に店から生還したというわけです。
店を出て、サンドウィッチにがぶりつきながら、(果たしてこれから僕はきちんと英語を聴き取れるようになるのだろうか・・・)と暗澹たる気分になったことは言うまでもありません。
もっとも、僕だけでなく、他の日本人でも英語が聴き取れずに困った人は結構いたようです。電話で宅配ピザをオーダーしようとしてとんでもないことになったという人もありました。直接会って話して聴き取れない場合には、サンドウィッチ購入時のような「実演方式」という救いの手もありますが、電話となるとそうもいきません。
僕もその日本人から、電話でピザを購入する際の大変さを聞かされてハッキリとビビりまして、自分もまだピザを頼める段階ではないと思い、暫くの間、ピザを電話でオーダーすることだけは避けていたことを覚えています。
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