ELS 一覧

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2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】

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アメリカで栗を収穫

#29. (2001年10月09日)

こんにちは。今日は「食欲の秋」の話です。私の通う建物のすぐそばに栗の木が何本かあります。去年の今ごろ見つけて、そこで拾った栗をゆでて食べてみると、結構おいしかったんです。

アメリカ人は誰も栗を拾って焼いたりゆでたりしようとは思い ません(栗はクリスマスシーズンの食べ物です)。だから私の独壇場! とおもいきや、実は最強の敵がいたのです。

それは「中国人」と「リス」です。朝早くの週末に(絶対私ひとりや)と思って現地へ行ってみると、既に2人の中国人らしき人達とリスが栗の奪い合いを展開してました。

去年は余りたくさん採れず1人で楽しんだだけだったのですが、今年はルームメイトのルビーちゃんもいることだし、2人で収穫すればかなりの量になることを予想し、去年よりも早めに現地を訪れることにしました。

去年のいつごろ採りに行ったのか忘れてしまったので、日本に住むおばに(去年栗拾いについてのメールを送っていたので)いつ頃だったか確認し、その少し前に「偵察」にでかけました。

すると、そこには既に年配の中国人らしき男性(日本人ではない)がスーパーの袋の3分の1ぐらいを栗でいっぱいにしていました。「これはヤバイ。来週中には来ないと」と、まずは偵察のみでその日は切り上げました。

次の週の火曜日、昼からの授業が終わってから、ちょっと寄ってみる事にしました。 すると、あるわあるわ、ごろごろとおいしそうな栗がそこら中に…。

私は持っていた紙袋に重たくなるくらい拾いました。それでもほんの5~10分くらいだったと思います。拾っている間も、上から「ボサッ」という音とともに栗が「いが」ごと落ちてきます。

ちなみに英語で「栗の毬(いが)」は "a chestnut case" というようで (ボーイフレンドは「なんて言うか知らん」と言うので辞書で調べました)、なんか情緒ないですね。

とにかく持っていたのが小さな紙袋だったので、そこが抜けないように手で押さえて家まで帰りました。

栗

台所にその栗を置いていると、ルームメイトが見つけて「これどこで採ってきたの?」と尋ねるので「ミュージック&スピーチの建物の前に栗の木があるって前に教えたでしょ」というと「私も行ってみよう」と言ってました。

その2日後くらいだったと思うのですが、彼女も私よりたくさんの、しかも大きめの栗を拾ってきました。しかも何度も行ったようで台所は栗だらけです。最初私はゆでて食べてたんですが、彼女は最近オーブンを使うのが好きで、オーブンで焼き栗を作りました。

週末にボーイフレンドがまたアイスホッケーの試合に来るので、そのときに「栗ご飯」にチャレンジしてみることにしました。先週の金曜日のことです。

まず栗の外の「鬼皮」をむきますが、前の晩から水につけておいて皮が剥きやすいようにしておきました。

金曜日の昼過ぎから、日本のドラマのビデオを見ながら(田村正和と常盤貴子が出ていた「美しい人」)、皮むきを始めました。

よく母が、中の「渋皮」は包丁で削ってたのを見ましたが、収穫してまだ日が経ってないのが関係するのか、指で簡単に取れました。でも2時間以上はかかったかな…ビデオ2話か3話見たような。

その後、4時くらいから炊き始めました。塩やなんかの分量がわからなかったので、インターネットで調べたり、母や妹のアドバイスに従い、でも結局は目分量で味付けをしました。この辺が私流。

栗ごはん

炊飯器のスイッチが切れたころにルームメイトも戻ってきたので、「ちょっと見てみよか」と蓋をあけてみると…なんとおいしそうな栗ご飯!

で、ちょっと味見もしました。これまた格別な味! 日本で食べていたのと同じ味!

ルームメイトも初めての味に「おいしぃ~。作り方教えて!」と言って喜んで食べてました。「あなたの分もあるからね。今日はとんかつにするねんけど、食べる?」と尋ねると、彼女とんかつがすごく好きらしく、その晩は、私が食事を作ってあげました。

ボーイフレンドはホッケーの試合があるので、縁起かつぎに「今日はとんかつやでぇ」と栗ご飯、とんかつ、お味噌汁という、カナダ人の彼が私に出会わなければ決して口にすることのなかったメニューでした。

栗ご飯もとても気に入ったらしく、 喜んで食べてくれました。なんせ拾ってきた「ただ」の栗ですから、普段日本で作っていたときより、栗の量が多いんです。今もまだ冷凍にしたものがあります。

今日の朝の授業が終わって現地に行ってみると、もう栗は落ちてませんでした。 木にももう残ってません。一番良いときに収穫したなと思います。 【第30話へ】

カリフォルニアミラマー大学

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