ELS 一覧

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2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】

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テロ後の空港セキュリティ

#35. (2002年01月05日)

日本はまだお正月の真っ最中ですね。では、私も日本風に「あけましておめでとうございます」

さて、先月の19日から今月の3日まで、カナダのカルガリーへ行ってきました。カルガリーは1988年に冬季オリンピックが開催された町です。私はこの「カルガリー」と言う文字がどうしても「カンガルー」と読めてしまいます。そんなことはどうでもいいのですが、なぜそこへ行っていたかというと、ボーイフレンドの弟2人とお姉さんがカルガリーに住んでいるのです。

彼の出身地はサスカチュワン州のサスカチューンというところで、今もご両親が住んでらっしゃるのですが、近々この家を売ってカルガリーに移ってこられるそうです。一番上のお姉さんも最近家を出てカルガリーで仕事をしており、結婚している2人の弟もカルガリーに住んでいるので、今回のクリスマスはカルガリーで過ごすことになったのです。私とボーイフレンドはすぐ下の弟夫婦の家に2週間お邪魔することになりました。

クリーブランドの空港から飛行機に乗り、ミネソタ州のミネアポリスで乗り換え、カルガリーまで約5時間の飛行機の旅です。

9月のあの忌まわしいテロ事件があってから空港内へ入ったことがなかったのですが、やはり空港はちょっと異常な雰囲気でした。警察官だけでなく、アーミーも常時セキュリティで「番」をしています。普通空港でパスポートや身分証明が必要なのはチェックインのときと出国審査のときだけですが、今は違いますよ。チェックインの後のボディチェックのところでもパスポートの提示を要求され、搭乗口でももう1度パスポートを提示します。

ボディチェックのときボーイフレンドに「パスポートいるかなぁ?」というと「いらんいらん。かばんに入れとき」と自信満々。「でも、今はすごくチェックが厳しくてルールが変わってるからどこでも身分証明がいると思うよ」と問答しているとそばにいた女性のセキュリティが「はい、ID 見せてちょうだい」と言い、「どこへ行っても ID 見せなきゃだめなのよぉ」と微笑みながらボーイフレンドを見てました。「ほら見てみぃ。私の言った通りやん」

私たちのセキュリティチェックは難なく終わったので、搭乗時間までコーヒー飲んだり、ボーっとしてました(なんせ朝早かったものですから)。その間セキュリティーのゲートはピーピー鳴りっぱなし。普段より多めの人が脇にやられ、あの金属探知機って言うんでしょうか(きっと違う)、あれで体中を調べられてました。どう見てもテロリストには見えないかわいい女の子からおばーちゃんまで…。

搭乗時間になったので搭乗口へ向かいました。私はここでもパスポートが必要と見て手に持ってました。ボーイフレンドは「要らんと思う」と言ってかばんにしまってました。ところがやはりここでもパスポートの提示が必要となり、私はスムーズに提示したのですが、ボーイフレンドはかばんを開けて「ちょっと待ってください」と言いながらごそごそしてました。ほらねぇ…。

ミネアポリスには飛行機が遅れて到着したため、お昼ご飯を急いで食べ、次の乗り換えのため搭乗ゲートまで急ぎました。このときに私のリュックをボーイフレンドが持っていてくれました。多分、私たち2人が最終搭乗だったと思います。搭乗券を切ってもらい、いざ飛行機に乗り込もうとすると、搭乗口にいた中国人風のセキュリ ティの男性が「あんただけちょっとチェックさせてもらうよ」というのです。そして、ボーイフレンドに向かって、「あんたは行ってよし」と搭乗を促します。 「え~なんで私だけぇ」多分、離陸の時間が迫っていたため、大きな荷物を持ったボーイフレンドは避けられ、小さなバッグと化粧ポーチを提げていた私が選ばれたのでしょう。

「何で私だけなんですか? これってアトランダムにチェックするの?」 の質問に「そう」ですと。体中触られ、なぜか私のブーツがピーピー鳴り、セーターもお腹の上まで上げさせられ、ポーチの中も爪切りの先まで検査されました。待合所で待っている乗客がみんな私を見てるのでちょっといやな感じでした。心の中で 「こんなかわいいテロリストおらんやろぉ!」と叫んでました。

ミネアポリスでさえも雪がないくらい、この頃は暖冬でした。しかしさすがにカルガリーに着くと雪、雪、雪。空港まではすぐ下の弟スティーヴが迎えに来てくれていました。写真で顔は見たことがあったのですが、ボーイフレンドには似ていない小顔の男前。「こんにちは」と挨拶をして彼の家へ向かいました。奥さんのコレットはその日はまだ仕事があったので戻ってませんでした。でも夕方、玄関で声が聞こえたので挨拶にでました。これまたジュリアロバーツにそっくりの小顔の美人。すごく歓迎してくれました。「会うの楽しみにしてたのよぉー」と。

その夜はみんなでコメディを見に行くことになりました(コレットがチケットを取っていてくれた)。この話は笑えますので次回にまた。 【第36話へ】

カリフォルニアミラマー大学

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