FLS オンライン留学

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2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】

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クリーブランド美術館見学

#5. (2001年6月7日)

先月の28日(月)は Memorial Day (戦没者記念日)で休日だったため3連休でした。それでというわけではなかったのですが、その週末にボーイフレンドと一緒にクリーブランドへ行って来ました。

第1の目的は Cleveland Museum of Art (クリーブランド美術館)を訪れること。東洋の優れた作品が多く展示されているということで以前から興味がありました。しかもクリーブランドを訪れるのはこれが初めてだったので(グレイハウンドに乗った時以外は)とても楽しみでした。

ボーイフレンドが午前11時ころに迎えに来てくれました。彼はインターネットで調べた美術館までの道順を持ってきていて「君がナビゲーターになってこれを順次読んでいって」ということでした。

みなさんはこのシステム試したことありますか? 出発地と目的地の住所を入力すると「ここで右に曲がれ。何号線をまっすぐ…」などと、事細かに目的地まで案内してくれるものです。それをプリントアウトしたものを私が読み上げて行きました。

クリーブランド美術館はクリーブランドの中心地より少し離れたところにあります。ところが、目的地に近づいたあたりからちょっとおかしなことになり始めました。そうです、彼は道を間違えたのです。

原因は彼がプリントアウトしたナビゲーションの表現があまり良くなく、どこで道を曲がるのか明確に書かれてなかったのです。私はただ書かれていることを読んでいただけでした。「私の発音、理解できてる?」と尋ねると、「君の言ってることはわかるが、僕はそれ自体が理解できない」とのこと。

彼は知らない道をぐるぐる回りつづけるだけで、そのうち一言も喋らなくなりました。それまで聴いていたラジオも雑音に聞こえていたらしく、"It's noise…"と言って切ってしまいました。

男性は一般的に人にものを尋ねるのが嫌いで、また同時に2つのことができないそうです。特に道に迷ったときは。彼もその典型でした。

でも、こういうとき私はどうすればいいのか知っていたので、私は隣で何も言わず、ただ彼の「狩り」を見守っていました。おしゃべりな私がじっと黙っているのはなかなか苦痛でしたが…。

30分くらいうろうろした後、ようやくナビゲーションにある道に出ました。彼はラジオのスイッチを入れ、そしてにっこり笑い、私に話し始めたのです。「僕が黙ってたの怖かった?」と尋ねるので、「私はあなたが狩り(道を探す)をしている間は何もしゃべらない方がいいのを知っていたから、黙ってた」と言いました。ある本でその知識を得ていた私は、彼とけんかせずに済んだという訳です。

ちなみにお奨めのナビゲーションは "Yahoo Yellow Page" です。こちらの方がわかりやすいと思います。

さて美術館ですが、まずは東洋部門から見ることにしました。ここは日本だけでなく中国、韓国、インドなどの仏像や絵画、陶器などが数多く展示されています。以前日本でこの美術館所蔵の東洋美術の特別展が開かれたことがあるそうです。

私が心ひかれたのは、円山応挙の「二股に分かれた大根の絵」でした。小さな素朴な絵で、あの幽霊の絵や屏風絵を描いたことで有名な応挙の絵とはとても思えませんでした。カナダ人のボーイフレンドにはちょっと理解できなかったみたいですが。

仏像もなかなかの迫力でした。「ほら見て、顔が11個もある!」とボーイフレンドは驚いてました。

あとは西洋美術や現代美術の部門を見て回ったのですが、この辺りから私は非常におなかがすいてきました。夕方の4時くらいだったと思います。

一応全部見たな、とお互い確認してカフェへ行く事になりました。私は当然サンドウィッチくらいは食べれるんだと思っていたら、ボーイフレンドに「この後ディナーに行くんだからコーヒーだけにしよう」と言われました。

うぇ~ん! お昼ご飯も食べてないのにぃ! いつもならブラックで飲むコーヒーに砂糖とミルクをたっぷり入れて、血糖値を上げる努力をしました。

そのあと美術館のショップへ行きました。そこでちょっと奇妙な、と言うか興味深い光景に出くわしました。

どうやら日本人らしい親子。子供は10歳くらいの男の子です。この男の子は英語で母親にいろいろ話しかけるのですが、母親は一貫して日本語でした。しかも私のホームタウンの方言のある人でした。

ところがこの2人、ちゃんと会話が成立しているのです。"Look at this. It's cool!" (これ見て、すごい!)と子供が言うと、「どれ、見せて」。男の子は手にしていたおもちゃを母親に手渡す。それからも会話は英語と日本語でした。

こちらで育った日本人の子供は、こんな風になるそうです。

会話は日本語より英語の方が楽で、しかし家庭では両親が日本語を話すので言っている事は理解できるという現象。

言語について勉強している私にとってはとても興味のある出来事でした。できればインタビューもしたかったのですが、そこまで図々しいことはできませんでした。

その後は美術館の隣にある植物園を散策しました。私のボーイフレンドは「松の木」と「もみの木」の区別がつきません。私達日本人は、「クリスマスに使うのがもみの木、お正月に使うのが松の木」と区別つきますが、針葉樹の多いカナダに暮らした彼はどっちがどっちでもいいようです。

しかもクリスマスツリーは松の木だと思ってたみたいです。あんなのクリスマスツリーに使ったら、飾り、飾りにくい…。でもスーパーでクリスマスツリー用に松の木を売っていたのを見たことがあります。区別しているのはもしかしたら日本人だけなのかも。

ディナーの場所もこれまた迷いながら到着。やっとおなかいっぱいになり、満足のうちに帰路につきました。ボーイフレンドのこと気になりますか?じゃ、この話はまたの機会に。【第6話へ】

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