ELS 一覧

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2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】

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日本食レストラン

#6. (2001年6月10日)

今回こそもう少し短くしようと思ったのですが、やはり長くなりました。昨日の土曜日にボーイフレンドがインターネットで見つけてくれた日本料理店へ行って来ました。今日はその報告です。

店の名前は修平といい、彼がメールで送ってくれた店の紹介はもちろん英語で書かれているのでローマ字名は "Shuhei" でした。

日本人なら "Shuhei" と聞けば、(あ、日本人の男性の名前だな)とわかりますが、彼はこの名前が人の名前なのか、場所の名前なのか見当がつかないので、何度教えても「シューハイ」と読んでました。

インターネットでの評価は4つ星半でかなり期待できそうでした。しかもクリーブランド一のおいしさとのこと。ちょっと眉唾ものぽっかったですが、書いてあるメニューがどれもおいしそうだったので期待十分で臨みました。

カナダ人のボーイフレンドは、実は日本食を試すのは初めてでした。しかも生魚を使った「スーシー」も初めて。日本酒も初めて。

ウェイターは典型的な日本人の顔をしてるのに英語が上手で日本語があまりわからないみたいだったので生粋のアメリカ人だったと思います。

ビールはキリンの「一番絞り」を注文しました。アメリカでは "Kirin Ichiban" と呼ばれており、多分製造もこちらでされてます。そのせいかどうかわかりませんが、ビンの形が日本のものとは少し違います。ボーイフレンドが日本のビールはサッポロしか飲んだことがないと言うので「キリンを飲まずに日本のビールは語れない」と前からと言ってたのです。

びんで注文しました。1杯目はウェイターが注いでくれましたが、2杯目を注ぐときにボーイフレンドに「日本ではこうやってお酌をし合うのがビジネスを潤滑にする方法」と教えました。

私が「いやー、ケニーさん(彼のラストネーム)、今日はお疲れサンでしたなぁ」と言いながら彼にお酌しました。次に彼は私にお酌をしながら "Good job today, Toshie!" と言ってたので。どうやら理解できた様です。

さっきのやたら笑顔のウェイターが注文を取りにきました。私は、ボーイフレンドがもし生魚が死ぬほど大っ嫌いだったらいかんと思い、まずは無難なところから "Age Dashi Tofu"、"Yoshoku Gaeru"、"Age Tako" を注文しました。アメリカ人だったら「エイジ ダーシィ」なんて注文するんでしょうね。つまり「揚げだし豆腐」、「カエルの脚」(これのどこが無難?)、「揚げタコ」です。

彼が「この Yoshoku なんちゃらいうのわ?」と言うので、私はてっきり「洋食○○」だと思ってたら、良く読むと「養殖カエル」でした。「これって日本食?」と思ったのですが、私もカエルは好きなので "OK" のひとこと。でも、彼はカエルを食べるのは初めてだというので、なかなかのチャレンジャーカナダ人です。

注文するときに揚げだし豆腐でさえも英語っぽく発音していた私は、自分で自分を笑っておりました。

注文したものが全部そろいました。ウェイターはもともと置いてあった「おてもと」のほかにフォークととナイフを持ってきてくれました。しかも日本人の私にまで。きっと、「アゲダシトーフー」と英語発音で注文したから「こやつも同じくチャレンジャーカナダ人やな」と思われたのかもしれません。

揚げだし豆腐から食べ始めました。これはなかなかおいしかったです。でも、ねぎがかかってなかったのでちょっと不満でした。

次にカエルの脚。これはみそ味でおいしかたのですが、やっぱり日本食というのに疑問を持ちました。日本の文化を全く知らないアメリカ人が、このレストランに来てこのメニューを見ると、日本人は毎日カエルの脚を食べてるのだと思うと思います。

揚げタコは細かく切ったタコのてんぷらでしたが、お皿中央のつけだれがどう考えても韓国のみそ「コチュジャン」だったので、これも日本食とは呼び難いですね。しかしボーイフレンドはビールも含め、どれもおいしいと言って食べてました。

お寿司

次に、いよいよ「スーシー」の注文です。寿司にはにぎり、細巻き、太巻きの3種類があり、にぎりは高そうだったので「細巻きキャリフォルニアロール」を注文しました。でもやって来た細巻きは本当に細巻きで、日本のものよりずーと小さいものでした。

しかも日本人の私に言わせると「シャリ」がいまいちです。ちょっとべちょ、とした感じがしました。少しがっかりでしたが、味はまあまあ良かったし、彼も喜んでたので次は太巻きの「レインボーロール」というのを注文。これは巻き寿しの海苔なし(海苔は中に巻きこんであった)にネタが乗っていて、にぎりと巻き寿しの中間のようなものでした。

ネタはスモークサーモン、ハマチ、エビ、ホワイトフィッシュ。このホワイトフィッシュは食べてみても何なのかわかりませんでした。こちらの方が数倍おいしかったです。

ただどちらも巻き寿しを注文したのに「わさび」がうず高く(高さ5cmくらい)お皿に盛られていたのにはびっくりしました。誰があんな量のわさびを食べるのでしょう? ボーイフレンドはわさびにトライするのはやめてましたが、その横の「ガリ」はおいしそうに食べてました。ガリをおいしそうに食べるカナダ人を初めて見ました。

このお寿司の注文と前後して日本酒を注文しました。英語では "sake" を「サーキー」と発音します。間違ってますけど、私も英語で話すときは「サーキー」と言ってます。でないと通じませんから。

2人で冷酒を注文することにしました。いろいろ種類はあったのですが、馴染み深い「松竹梅」にしました。口当たりが軽くておいしかったです。彼も気に入っていた様です。

デザートは私が抹茶のアイスクリームで、彼がマンゴーのアイスクリームを注文。最後に「あがり」で締めくくり。値段も手ごろでした(私は払ってませんが)。

店の雰囲気も良く、土曜の夜ということもあり、店は満席でした。が、店の入り口に振袖が飾ってあるのに接客の女性は髪を茶色く染めた日本の夜の商売の方のような感じで、なんかミスマッチでした。しかし、アメリカであまり日本料理店に行ったことのない私にとっても、カナダ人のボーイフレンドにとっても、良い経験、そしてすてきな時間を過ごすことができました。【第7話へ】

カリフォルニアミラマー大学

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