ELS 一覧

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2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】

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あわやプレゼン中止の危機

#62. (2002年11月10日)

本当にご無沙汰です。なんだかこの日記、「月1」状態になってきました。「学業」が忙しいのもあるのですが、なんとか読者の方に楽しんでいただける話題を探そうと思うと、ここのところあまり変化のない生活だと、ちょっと書くのに躊躇してました。

今週末は月曜が祝日なので長い週末です。結構のんびりしてます。今学期もそうこうしているうちに後1ヶ月ほどなんです。今年はクリスマス休暇までのスケジュールがちょとへんてこなんです。11月の第4木曜日は毎年 "Thanksgiving" で、その前の水曜日の正午から学校は休みになります。ところが今年はこの "Thanksgiving" が11月28日なので、次の週1週間学校へ行くともう冬休みなんです。去年はもう1週間行ったような気がするんですけど…。で、その最終週(ファイナルの週ではない)は テストが2つあります。また、実はこの冬休み日本へ行くことになり、しかも試験の日をずらしてまでも(先生に私1人だけ試験日とペーパーの締切日を変えてもらいました)安い航空券を購入したため、全てのペーパーやプロジェクトの締め切りや試験を学期末試験の週の月曜日に終わらさなければなりません。で、このサンクスギビングの休みは試験勉強とペーパーの締め切りに追われるというわけです。

さて、先日信じられないことが起こりました。私が取っているクラスの1つに大変興味深い、しかもわりと楽なものがあります。これは選択科目の1つで "AAC" といいます。"Augmentative and Alternative Communication" の略で、日本語では「拡大・代替コミュニケーション」と訳されています。要するに話し言葉でないコミュニケーションで、簡単なものだとジェスチャーや絵を指差してコミュニケーションするというものです。言語が全く使えない、またはコミュニケーションに制限がある人のために開発されている機械やコンピュータソフトがたくさんあります。このクラスではこの中でもコンピュータソフトを使ったものを主に勉強しています。

授業らしかったのは最初の2~3日くらいで、あとは毎週2時間半、コンピュータソフトで「遊ぶ」んです。でもちゃん発表会もあり、各自が特定のクライアントや架空のクライアントのためにカスタマイズしたソフトを発表するプレゼンテーションが先週ありました。クラスはほんの10人ほどしか受けていないので、だいたい5人ずつ、2日に分けて行われる事になりました。私はその最初の日に当たっていたので、この日のために毎週水曜日とその前の週は学校が休みの金曜日まで出かけて、せっせと作業にいそしみました。このソフトはクライアントに代わって「しゃべるん」です。文字も出せますし、クリックする場所によってページが変わったりします。そのためには各ページを作って、それぞれをリンクさせるんです。私は簡単な挨拶や、「どこどこへ行きたい」とか、「家族紹介」「セラピーでの言語学習」なんかも作って、すごくいいものができあがってたんです。特に学習のところではクイズ形式にして単語を覚えるようにしたもので、正解をクリックすると "CORRECT!" が画面に現れる、というようにしました。

このソフトは Mac 用に作られていて、(この先生は Mac が好きなんです。みんな文句言ってましたが)私は慣れない Mac コンピュータで作ってたんです。ただ最初、性能の悪いラップトップを使っていたため、途中で止まったり、フリーズしたり、いらいらするので先生に言って、デスクトップコンピュータへ私のファイルを移してもらいました。で、発表の時はクラスの中で映し出さないといけないので、再びラップトップに移しかえるという作業をしなければなりませんでした。この先生はファイルの移し変えのときに "ZIP" のカードを使ってました。これだと大きなファイルでも圧縮して移しかえられるってことなんでしょうねぇ。で、発表の直前、ちょっと確認したいこともあって自分のファイルを開け、再び保存しました。先生が ZIP に 私のファイルを移し、教室にあるラップトップに移し変えようとしたとき、なぜか 私のファイルがその ZIP カードにないんです。「あら、おかしいわねぇ」ってことで、再びデスクトップのコンピュータに戻ると、なんと、私のファイルが消えてるんです! 正確には、私の名前のフォルダーはあるのですが、内容が2週間も前のままで更新されてないものなのです。なんと言うこと…。このソフトは新しいページ や(「ボード」と呼ばれていますが)既存のページを開く際、必ず「保存しますか」と聞いてくるので毎回保存してました。だから、2週間前の状態でしかないというのは理屈に合わないんです。いくら探しても最新のファイルが見当たりません。授業の時間が迫っていたので、先生に次回発表するようにと言われ、そのときはまずはクラスへ向かいました。「本日の発表」の人の名前が黒板に書かれているとき友達の1人が「あれ? トシエも今日発表じゃないの?」というので、「いえ、その~ ちょっとあることが起こりましてぇ…」とあいまいな返事。

授業後、先生と再び探したのですがどこにもないのです。あきらめるにもあきらめきれない…。今まで何時間このソフトにかけてきたことか…。ファイルの移しかえのときに何かが起こったんでしょうねぇ。仕方ないので次の日、これまた授業のない金曜日に再び学校まで行き作業をすることにしました。次の日にこの先生に廊下で 会ったのですが、先生も一生懸命探してくれたらしく、でも見つからなかったそうです。存在するファイルの日付けがすごく変で、「19○○年」(ちょっと細かくは忘れました)になってるのだそうです。私は2重にフォルダを作った覚えもなく、いつも同じフォルダに保存してました。なのに、なのに…。この辺がハイテクの理解できないところです。実に奇妙な事件です。しかし作業はなんと2時間ほどで同じものを作り(どのページに何があったか覚えていたのと精密なメモを作っていたため)、前よりいいものができました。2週間後には発表です。みなさんも ZIP カードを使うときは気をつけましょう。 【第63話へ】

カリフォルニアミラマー大学

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